コレクション: 小林 じゅんの

小林木工 小林じゅんの
小林じゅんの

寄木指物細工

京都伝統工芸専門学校 木工科卒業後、小田原の土屋木工所を経て2016年 小林木工 開業。
第7回全国木のクラフトコンペ「雫」 金賞、第8回全国木のクラフトコンペ「三段抽斗」銀賞受賞。
寄木、特に無垢板を用いた指物を得意とし、寄木を活かした日用品を製作。長く愛着を持って使えるモノづくりを目指しています。

小田原市江之浦 小林木工
小林 純生

木ならではの肌感があり、暮らしの中で使ってもらえる日用品を作りたい

手神に参加する職人たちを包み込むように繋ぐのが小林じゅんのさん。斎藤さんの豆茶器や乾さんのきねんの家に使われる寄木をじゅんのさんが作るという制作面でのサポートをするほか、工場(こうば)を共用する松本さんをメンバーに紹介するといった手神の成り立ちにも大切な役割を担っています。手神プロデューサーの池谷さんに「もっとみんなに知って欲しい」と言わせる技術とセンスを併せ持つ木工職人であるじゅんのさんにその思いを伺いました。

 

手神 小林じゅんの

 

大学の工学部を卒業後、じゅんのさんが木工の道へ転身するのは専門職に就いて7年目。本人曰く手先が器用で図画工作しか成績が良くない子どもだったそうですが、得意なだけで「ものづくりが仕事になるとは思わなかった」と言います。
しかし、仕事で関わった農家のみなさんが働く姿を見たじゅんのさんは「ものを作ってる方たちの堂々と働いている姿を見て、私は何がやりたかったのかな?」という疑問が浮かぶと同時にすぐに舵を切り、仕事を辞め京都伝統工芸専門学校(現 京都伝統工芸大学校)へ入学、居も移して木工を学び始めました。
本人の一大決心に友人たちは驚くのではなく、「やっとそっち(ものづくり)の道に行ったか」と喜んでいたそうです。「友だちは以前から私がものづくりが得意なのを知ってくれていたみたいです」。

 

手神 小林じゅんの

 

機械の操作が中心の職業訓練校ではなく、手仕事が学べるという理由で選んだ京都の学校を卒業し、次いで小田原の木工所に就職。職人としてのキャリアをスタートさせます。 池谷さんが評する「じゅんのさんの細かい寄木は仕上がりが抜群に美しい」のは、そもそも指先の感覚が優れていることに加え、レンガ積みという独自の寄木製法を持つ木工所の親方に仕上がりを厳しく指導された経験が活きているようです。
仕事が終わると工場を使わせてくれるなど職人の個人活動に理解のある親方の元、勤めと並行して徐々にイベント出展など活動の幅を広げ、2021年に現在の江之浦の工場を拠点として独立を果たしました。
「自分が作りたいものを作らないとものづくりをする意味がない」とはじゅんのさんがふと漏らした言葉ですが、それを裏付けるかのように池谷さんはじゅんのさんを手神に誘った理由を「じゅんのさんにしか作れない作品を作っていた。」と繋ぎます。

 

色数を抑えながら。
モノの大きさを基準に寄木のサイズをつくる

 

手神 小林じゅんの

 

手神では「日用品を作りたい」というじゅんのさんのリクエストをもとにデザイナーの山田佳一朗さんがデザインしたのが「寄木縁八角盆」と「寄木芯八角茶筒」です。 寄木を全面に張るような伝統的な手法ではなく、手に触れる身と蓋は無垢材のまま、その間から寄木が覗くという着物のような雰囲気を持つ茶筒は、色数を抑えつつ、モノのサイズを基準に寄木自体のサイズを合わせるというじゅんのさんのスタイルが活かされています。 さらに蓋が八角形のどの向きでもスっと身に収まることで木製品としての精度の高さを体感することができるでしょう。


 

手神 小林じゅんの

 

じゅんのさんがものづくりで大切にしているのは、しまわれてしまう工芸品を目指すのではなくて、手で触りたくなるような木ならではの肌感があり、暮らしの中で使ってもらえるものを作ること。そのためには面倒なことも厭わないと話してくれました。 次作は豆箱?引き出し?と私たちの想像よりかなり小さい箱のサンプルを手に思案していました。「小さいものを作っている時は楽しい」というじゅんのさんによる暮らしで活きる工芸品が手神から生まれるのを楽しみに待ちたいと思います。

寄木芯八角茶筒
寄木芯八角茶筒
寄木芯八角茶筒
価格
¥21,450¥22,000
寄木縁八角盆
寄木縁八角盆
寄木縁八角盆
価格
¥17,600

作り手

斎藤木工所 斎藤久夫

斎藤 久夫

小林木工 小林じゅんの

小林 じゅんの

木工房千舟 岩宮千尋

岩宮 千尋